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2024.03.17
筋肉内注射で知っておきたい5つのポイント

筋肉注射を実施するとき「皮膚はつまむのかな?」「注射後揉んで良いのかな?」と迷うことはありませんか。筋肉注射をする機会が多い人も、そうでない人もふとしたときに疑問がわくかもしれません。今日は筋肉注射を実施するときのポイントを解説します。

1.筋肉注射の適応

筋肉注射は刺激が強い薬剤や吸収速度が遅い薬剤を注射するとき、皮下注射よりも速く薬剤を吸収させる必要があるときに選択されます。

2.筋肉注射に使用する薬剤

筋肉注射に用いられる薬剤は、解熱鎮痛剤やホルモン剤、鎮痙剤などがあります。筋肉注射は薬剤吸収の速度が比較的速く、油性のものや混濁液の薬剤も使用可能です。

3.接種部位

筋肉注射は上腕や臀部に実施しますが、上腕の注射の方が多いのではないでしょうか。外来などでは上腕の方が臀部よりも露出しやすいため、上腕に注射することが多いようです。

4.施行時の注意点

1)刺入時皮膚はつまむのか?

注射をする際、皮膚をつまみ上げる場合とつまみ上げない場合があります。筋肉注射ではどうすれば良いのでしょうか。筋肉注射では皮膚はつまみ上げません。皮膚をつまみ上げると針が筋肉組織まで届かず、皮下注射になってしまうことがあるので注意が必要です。

2)針の挿入の長さは?角度は?

針が適切な深さに到達するために13-20mm程度挿入すると良いでしょう。ただし、体格などにより違いがあるためあくまで目安です。皮下脂肪や筋層の厚い部位では90度、やや浅い部位では45度くらいの角度で刺入します。

5.接種後の注意点

以前は筋肉注射のあとは患部を揉む方が良いと言われていました。これは注射によって皮膚が硬結するのを予防するためでしたが、現在では注射後に皮膚を揉んでも揉まなくても硬結の程度はあまり変わらないと言われています。薬剤によっては注射後に皮膚を揉むことで薬剤が皮下に漏れると組織壊死や潰瘍の原因となります。これらの観点から必ずしも筋肉注射のあとに患部を揉まなければならないというわけではないことがわかります。

【まとめ】

1.筋肉注射は吸収速度が比較的速く、油性や混濁液も使用可能。

2.接種部位は上腕と臀部があるが、現場の状況によって選択される。

3.皮膚はつままず、刺入角度は45°〜90°で。

4.患部を揉むのか揉まないのか接種後の対応を確認。


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