「一言がきっかけで患者さんの表情が曇ってしまった」「もっとスムーズにコミュニケーションを取りたい」と感じたことはありませんか?
看護師として患者さんと接する中で、その一言がいかに重要か実感することは多いのではないのでしょうか?
今回は、患者さんの心に寄り添う声掛けのコツを、すぐに役立つ具体例を交えてご紹介します。ちょっとした工夫で、あなたのコミュニケーションスキルをぐっと高め、信頼関係を深めることができますよ。
1. 基本となる丁寧な言葉遣い

患者さんとの接触において最も基本的かつ重要なのは、丁寧な言葉遣いです。日常的に使用するフレーズを見直すだけで、患者さんに与える印象を大きく改善できます。以下に、避けるべき言葉と望ましい言葉の例を挙げてみましょう。
患者さんをお待たせする際の声掛け:
● 避けたい例:
「座って待っててください」
「ちょっと待っていてください」
● 望ましい例:
「お手数ですが、こちらの席におかけになって、お待ちくださいね。」
「少々お待ちいただけますか?今、準備を整えておりますので。」
通常の体調確認:
● 避けたい例:
「痛いですか?」
「具合はどうですか?」
● 望ましい例:
「お体の様子を伺ってもよろしいでしょうか?痛み等の変化はありますか?」
「今の具合をお聞かせいただけますか?何か不快な症状はありましたか?」
説明後の確認:
● 避けたい例:
「わかりました?」
「理解できました?」
● 望ましい例:
「先ほどの説明でご理解いただけましたでしょうか?不明な点はございませんか?」
「説明の中でわかりにくかった部分はありませんでしたか?何か質問があれば、お気軽にどうぞ。」
2. 丁寧な言葉遣い以上に大切なこと

正しい敬語の使用は基本ですが、それ以上に重要なのは、目の前の患者さんに合わせた対応を心掛けることです。マニュアルに縛られず、患者さんの個性や状況に応じて言葉を選びましょう。柔軟に対応を調整することが信頼関係を深める鍵となります。
職場には患者さんから高い評価を受ける先輩が必ずいると思います。
そのような先輩の言葉遣いや接遇スキルを観察し、学ぶことで、自身のスキルを磨くことができます。毎日、「この患者さんにはどんな声掛けが適切だろう?」と自問自答する習慣を身につけることで、自然と患者さんに寄り添えるコミュニケーションが身についていきます。丁寧な言葉遣いと患者さんの気持ちを理解する努力を重ねていきましょう。
【まとめ】
・患者さんと接する際、基本となるのは「相手に合わせた丁寧な言葉遣い」
・日常的によく使う表現を見直すだけで、患者さんへの印象が大きく変わることがある
・患者さんの反応を観察することも重要
・「目の前の患者さんに合わせた対応を心掛けること」と「良いお手本を見つけて学ぶこと」が患者さんの心に寄り添える声掛けのコツ