なぜか点滴が抜けやすい患者さんの対応あるある

観察・患者対応
2025.06.24
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点滴を入れたばかりなのに抜けてしまったという経験は少なくないでしょう。認知症やせん妄が原因で無意識に抜いてしまう人や寝相や体動が原因で点滴が抜けやすい人もいます。汗をかきやすい人や皮脂が多い人も固定のテープが剥がれやすい場合もあるでしょう。この記事では点滴が抜けやすい患者さんの対応について説明しましょう。

1.認知症やせん妄により自己抜去してしまう

認知症やせん妄により点滴を抜いてしまう患者さんには固定方法を工夫する必要があります。添え木を使うのもひとつです。弾性包帯やメッシュ包帯を使ってカバーすることで患者さんが触りにくくなるかもしれません。ルートの選択も重要です。上腕などできるだけ視界に入りにくい場所を選びましょう。テープやカバーを目立たせない工夫も必要です。皮膚に近い色や白色にすると目立ちにくいです。保護カバーや長袖の肌着などで目につきにくくしたりすると良いかもしれません。

2.寝相の悪さや体動により抜けやすい

寝相が悪かったり、体動が多かったりすると点滴が抜けやすい場合があります。寝返りの動線を予測して点滴ルートに緊張がかかりにくくなるように固定をします。点滴ルートをやや長めに確保したりすると抜去予防ができるかもしれません。ルートにループを作り遊びを持たせると引っ張られても抜けにくいでしょう。皮膚への影響は心配ですが、皮膚トラブルがないのであれば粘着力が高い剥がれにくいテープなどでしっかり固定するのもひとつですね。

3.汗や皮脂で固定が剥がれやすい

汗をかきやすい人は防水性や透湿性の高いテープ、伸縮性のあるテープなどが有効です。皮脂が多い人は粘着性が高いテープがおすすめですが、皮膚トラブルに注意しましょう。固定だけではなく環境整備も大切です。室温が高かったり衣服を着込んでいたりすると汗をかきやすいので空調や衣服の調整をすると剥がれにくくなることもあります。汗や皮脂を固定前にしっかりと拭き取るのも大切です。アルコール綿で拭き取るのもひとつですが、皮膚が弱い人には皮膚保護剤を使うと良いかもしれません。

【まとめ】

  • 1.認知症やせん妄により自分で抜いてしまう人は、副え木や保護カバーの使用やテープの色を工夫すると良いでしょう。
  • 2.寝相の悪さや体動により抜けやすい場合は動線を考えた固定やゆとりを持たせた固定をすると良いでしょう。
  • 3.汗や皮脂でテープが剥がれやすい場合はテープの選択がポイント。固定前に汗や皮脂を拭き取るのも忘れずに。

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