24時間血糖を測定できる持続血糖測定器とは

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2025.06.24
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近年、糖尿病治療の現場で注目されているのが持続血糖測定器です。従来の指先を穿刺する血糖測定と比べて患者さんの負担を軽減し、より詳細な血糖変動の把握が可能です。今回は、看護師として知っておきたい基本情報と現場での活用ポイントをご紹介します。

1.持続血糖測定器とは

持続血糖測定器は、皮下に装着したセンサーで持続的に血糖値をモニタリングできる機器のことです。従来のように指先を穿刺して採血する「自己血糖測定」とは異なり、5~15分ごとに血糖の推移を自動的に記録する機器です。

2.持続血糖測定器の仕組み

・センサーが皮下組織内の間質液グルコース濃度を測定し、データで可視化する

・採血が不要で、指先の穿刺の負担や痛みが軽減されます。

・血糖のリアルタイム変化や傾向をデータで確認できる。

3.持続血糖測定器のメリット

・血糖変動の推移が見える

患者さんや医療者が血糖変動をグラフで視覚的に確認できるため、食事や運動による変動や、インスリンの効果をリアルに把握できます。トレンド矢印が表示されるものもあり、血糖値が上昇中なのか下降傾向なのかを即時に判断できます。低血糖の予防や重症化の回避が可能です。

・小児や高齢者のケアにも有効

頻回な穿刺が難しい小児の患者さんや、自己管理が難しい高齢者にも有効です。自覚症状が上手く伝えられない患者さんに対して、持続的に値を確認できるので早期に治療介入が可能になります。

・保険適用で使用できる

Ⅰ型糖尿病やコントロール不良のⅡ型糖尿病患者に対して、医師の処方により使用が保険適応になります。小児で活動性が高い患者や、インスリン使用中の患者で、低血糖リスクが高い場合は持続血糖測定器が有効です。

4.看護師が知っておくべき注意点

・採血のデータと多少のずれがあることを理解しておく

血糖値ではなく、間質液のグルコース値なので、血糖値とのズレがあることがあります。誤差が生じることを理解して、値のトレンドを確認します。

・センサーの誤作動や剥がれに注意

センサーが剥がれたり、機械が誤作動を起こすこともあります。機器に表示される値が、臨床症状と合致しない場合は、必ず血糖値を実測し確認しましょう。

・センサー刺入部の周囲の皮膚トラブルを観察

センサー部分がかぶれたり、皮膚トラブルを起こすこともあります。定期的な交換の際や痒みなどの異常がある場合はセンサーを剥がし皮膚の観察を行います。

【まとめ】

  • ・持続血糖測定器は上腕の皮下にセンサーを装着し、持続的に間質液のグルコース値を測定する。
  • ・血糖変動をデータで確認でき、家族や医療スタッフと共有が可能。
  • ・血糖値ではなく、間質液のグルコース値であるため、若干の誤差が生じることを理解する必要がある。

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