【第115回看護師国家試験 午後82】間違いやすい!下肢静脈瘤の問題をわかりやすく解説

国家試験対策
2026.08.10
0件のコメント

第115回看護師国家試験で正答率が低かった問題のひとつに、下肢静脈瘤に関する問題がありました。静脈の病気と聞くと、深部静脈血栓症(DVT)などの知識と混同し、危険因子で迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。下肢静脈瘤は身近な疾患ですが、国家試験では間違えやすいテーマのひとつです。今回は、第115回看護師国家試験午後82の問題をもとに、なぜ間違えやすいのかを整理しながら、下肢静脈瘤の特徴を確認していきましょう。

1. 第115回看護師国家試験 午後82|あなたは正しく答えられる?

 問題

 下肢静脈瘤の危険因子はどれか。2つ選べ。

 ① 外傷

 ② 喫煙

 ③ 高齢

 ④ 手術

 ⑤ 妊娠

 正解

 ③ 高齢、⑤ 妊娠

2. 危険因子を理解するために下肢静脈瘤の仕組みを知ろう

下肢静脈瘤とは、足の静脈が異常に拡張し、コブ(瘤)のように膨らんで浮き出てしまう血管の病気です。足の静脈にある逆流防止弁の機能低下により血液の逆流によって起こりふくらはぎの筋ポンプ機能の低下も静脈うっ滞に関係します。加齢や妊娠・出産のほか、遺伝的要因、長時間の立ち仕事、肥満、便秘による腹圧の上昇などが危険因子です。逆流防止弁の機能が低下すると、血液が重力に逆らって心臓へ戻れず、足の静脈にうっ滞してしまいます。その結果、静脈内の圧力が高まり、血管の拡張や周囲への水分のしみ出しによって、むくみやだるさが生じます。これらの症状は、血液が足にたまりやすい午後から夕方にかけて強くなるのが特徴です。主な症状は以下のとおりです。

・ふくらはぎの血管の浮き出し

・むくみ

・だるさ

・重苦感

・夜間のこむら返り

・ほてり

・かゆみ

進行すると、皮膚の色素沈着や皮膚潰瘍につながることもあります。

 

3. この問題でつまずきやすい理由

下肢静脈瘤の危険因子を、動脈硬化や他の静脈疾患の危険因子と混同してしまい、多くの受験生が苦戦したのではないでしょうか。特に混同しやすいのが、深部静脈血栓症(DVT)です。喫煙を危険因子とする動脈硬化や、手術・外傷・妊娠を危険因子とするDVTの知識と混ざり、誤答として④手術と⑤妊娠を選んでしまった受験生も多かったと考えられます。DVTは、深部静脈に血栓ができ、急性の片側の腫れや痛みを引き起こす病気です。一方、下肢静脈瘤は、皮下の静脈にある弁の機能低下によって血液がうっ滞する慢性的な病気です。さらに、下肢静脈瘤がDVTの危険因子のひとつであることも、混同しやすいポイントといえます。静脈の病気=血栓とあいまいに覚えていると、危険因子を取り違えやすくなります。下肢静脈瘤は、DVTのような血栓性疾患と混同しやすいため、それぞれの特徴を整理して理解しておきましょう。 

まとめ

・下肢静脈瘤は、足の静脈にある逆流防止弁の機能低下や、ふくらはぎの筋ポンプ作用の低下によって起こる慢性的な静脈疾患

・危険因子は、高齢、妊娠・出産、長時間の立ち仕事、肥満、便秘による腹圧上昇など

・主な症状は、血管の浮き出し、むくみ、だるさ、重苦感、夜間のこむら返り、かゆみなど

・進行すると、皮膚の色素沈着や皮膚潰瘍につながることがある

・国試では、動脈硬化や深部静脈血栓症(DVT)の危険因子と混同しやすいため注意

・下肢静脈瘤とDVTは、病態や危険因子の違いを整理して覚えることが大切

Share
  • Facebook
ページトップ