血液培養の指示を受けたときに「なぜ2セット必要なの?」と思ったことはありませんか?採血がとりにくい患者さんは、2セット採取が難しく現場では1セットのみのことも少なくありません。血液培養の2セット採取には、コンタミネーション(汚染)との区別や原因菌の検出率を高めるための理由があります。この記事では、2セットが推奨される理由や1セットとの違い、採取時のポイントをわかりやすく解説します。
1. 血液培養はなぜ2セット必要?

血液培養を2セット採取する主な理由は、コンタミネーション(汚染)との区別と検出率の向上です。
採血時は十分に皮膚を消毒しても、皮膚の常在菌が採血針を通して血液培養ボトルに混入することがあります。採取時の混入によって、本来は血液中に存在しない菌が検出されることをコンタミネーション(汚染)といいます。2セットから同じ菌が検出された場合は、コンタミネーションよりも真の菌血症を判断する重要な材料になります。一方で、1セットのみで菌が検出された場合などは、コンタミネーションの可能性も考慮した判断が必要となります。
また、菌血症では血液中の細菌量が少ないこともあり、採取する血液量を確保することで原因菌の検出率が高まります。そのため成人では、1セットではなく、2セット(合計約40mL程度)の採取が推奨されています。
患者さんの状態によって1セットしか採取できないときは、診断の精度を高めるために可能な範囲で2セット採取を目指しましょう。
2. 血液培養は1セットではダメなのか

1セットのみでは、汚染菌と原因菌の区別が難しくなったり、原因菌を見逃したりする可能性があります。汚染菌を原因菌と誤って判断すると、不要な抗菌薬を使用する可能性があります。また、原因菌を見逃せば適切な治療が遅れてしまいます。そのため、成人では2セット以上の採取が推奨されています。ただし、患者さんの状態によって1セットしか採取できない場合は、その状況を踏まえて結果を慎重に評価することが大切です。
3. 血液培養採取時の注意点

血液培養を採取するときは、次の3点に注意しましょう。
①異なる部位から採取する
異なる部位から採取することで、複数セットで同じ菌が検出された場合の判断材料になります。左右の腕など異なる2か所から採取しましょう。
②抗菌薬投与前に採取する
悪寒・戦慄は菌血症を疑う重要なサインです。ただし、発熱のピークを待つ必要はなく、菌血症を疑った時点で速やかに採取します。
③採取後は常温で保管する
採血後はできるだけ速やかに提出し、すぐに提出できない場合も冷蔵せず常温で保管します。
まとめ
・血液培養は、コンタミネーション(汚染)との区別と検出率向上のため、2セット採取が推奨される
・1セットのみでは結果の解釈が難しくなるため、可能な範囲で2セット採取を目指す
・採取時は異なる部位から採取し、抗菌薬投与前に速やかに採取する
・採取後は冷蔵せず、常温で保管し、できるだけ早く提出する



