血液培養の採取タイミングで「発熱してからでいいの?」と思ったことはありませんか。
感染管理特定認定看護師として現場で相談を受ける中でも「抗菌薬を投与したら、血液培養は採取できませんよね?」という質問も耳にします。現場では、発熱を確認してから採取することが多い一方で、タイミングを誤ると原因菌の検出率が低下し、正確な診断や適切な治療につながらない可能性があります。この記事では、発熱してからの採取は遅いのかという疑問を整理しながら、抗菌薬投与前が重要な理由や、抗菌薬投与後の考え方についてわかりやすく解説します。
1. 血液培養のタイミングは発熱してからでは遅い?

血液培養の採取は38℃以上の発熱時と指示されることがありますが、発熱そのものが採取の目安とは限りません菌血症では、悪寒・戦慄や発熱などがみられることがあります。悪寒・戦慄は菌血症を疑う重要なサインの一つです。発熱を確認するまで採取を待つ必要はありません。
発熱だけを採取の目安とするのではなく、患者さんの状態を総合的に判断して採取することが重要です。
2. 血液培養を採取すべきタイミング

血液培養の採取タイミングは主に以下の3つです。
①発熱初期・悪寒戦慄時
熱の上がり始めや、悪寒・戦慄を伴う場合は、菌血症を疑う重要なサインです。
②敗血症を疑った時点
発熱の有無にかかわらず、原因不明の低血圧、頻呼吸、意識障害など、敗血症を疑うサインがみられた場合は、速やかに血液培養を採取します。
③抗菌薬投与前(最優先)
抗菌薬投与後は血液中の菌が減少し、検出率が低下します。その結果、原因菌の特定が困難になる可能性があります。血液培養は可能な限り抗菌薬投与前に採取することが重要です。
原因菌が特定できないと、適切な抗菌薬の選択や治療方針の決定が難しくなるため、抗菌薬投与前の採取が最も重要なポイントです。
3. 抗菌薬投与中の場合はどうする?

すでに抗菌薬が投与されている場合でも、新たに菌血症や敗血症が疑われる際には、血液培養が必要になることがあります。
抗菌薬投与後は、血液中の菌が減少し、原因菌の検出率が低下する可能性があります。
そのため、血液培養は可能な限り抗菌薬投与前に採取することが重要です。
すでに抗菌薬を投与している場合は、「投与したから血液培養は採取できない」と考えず、患者さんの状態や治療状況に応じて、医師と採取の必要性やタイミングを確認しましょう。
まとめ
・発熱だけを採取の目安とせず、患者さんの状態を総合的に判断する
・血液培養は、敗血症を疑った時点や抗菌薬投与前に速やかに採取する
抗菌薬投与中でも、新たな感染が疑われる場合は次回投与直前に採取する
・抗菌薬投与中でも、新たに菌血症や敗血症が疑われる場合は、血液培養が必要になることがある



