実習で術後1〜2日目の患者さんを受け持つと、初回の離床に立ち会う機会があるでしょう。創部痛やルート類による違和感などがあるなか、体を動かすことは想像以上に勇気がいるものです。
初回離床の介助に入る際は、患者さんの不安に寄り添い、安心して離床に臨める環境を整えることが大切です。この記事では、術後の初回離床で患者さんが感じやすい5つの不安と、ケアのポイントについて紹介します。
早期離床の効果と注意点

早期離床は、無気肺や深部静脈血栓症、麻痺性イレウスといった術後合併症を予防し、創傷治癒を促進する効果があります。一方で、術後は呼吸・循環動態が大きく変動し、初回離床で急変するリスクもあるため注意が必要です。意識レベルや表情、バイタルサインの変化、呼吸状態などを観察し、徐々にベッドアップしながら離床を進めていきます。
術後の初回離床を安全に進めるためのポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:「術後の安全な初回離床のための5つのポイント」
初回離床で感じやすい不安とケアのポイント
初回離床の際、患者さんがよく口にする不安には、次のようなものがあります。
「昨日手術したのにもう車椅子に乗るの?」

術前オリエンテーションを受けていても、離床の必要性やタイミングを理解しきれていない患者さんもいます。「なぜ、術翌日から離床するのか」「どのように離床を進めていくのか」といったことを丁寧に説明しましょう。
「痛みが強くて起き上がれない」
痛みが強い状態で無理に離床すると「動く=痛い」という恐怖心から、その後の離床に消極的になってしまう可能性があります。
鎮痛薬を使用して疼痛コントロールをはかり、痛みが落ち着いたタイミングで離床できるよう調整します。息を吐きながら体を動かすなど、動作時の痛みを軽減する工夫を伝えるのも良いでしょう。
「動くと傷が開きそうで怖い」
開胸・開腹手術を受けた患者さんに多いのが「動くと傷が開くのではないか」という不安です。体をねじるなど、創部に強い力が加わるような動きをしなければ、創部は離開しないことを伝えましょう。
「チューブがあるのに車椅子に乗れるの?」
とくに術翌日は、点滴や酸素マスク、ドレーンなどのルート類が多く「引っかかって抜けてしまうのでは?」と感じる患者さんもいます。
ルート類は簡単に抜けないよう固定されていること、離床時は複数人でサポートすることを伝えると安心できるでしょう。
「術衣で車椅子に乗るのは恥ずかしい」

術衣や和式寝衣は肌が露出しやすいため、可能であればズボンタイプの寝衣に着替えておきます。更衣が難しい場合は、カーディガンやバスタオルで肌を隠すなどの配慮が必要です。
さまざまなリスクを伴う初回離床では、学生が直接的なケアを行う場面は少ないかもしれません。
しかし、初回離床に対する患者さんの理解度を確認したり、不安に寄り添った声掛けをしたりすることはできるでしょう。
患者さんが安心して初回離床に臨めるよう、ぜひ今回ご紹介したケアのポイントを参考にしてください。
過去の国家試験では「術後離床の判断指標」について出題されています。こちらの記事では、正答率が低かった問題について、詳しく解説しています。
関連記事:「【看護師国家試験第114回 術後患者の離床の判断指標】術後離床について考えよう」
まとめ
初回離床でよくある不安とケアのポイントは次の5つ
・術翌日からの離床:早期離床の必要性や進め方を説明
・痛みが強い:疼痛コントール、離床時間の調整
・傷が開きそう:無理な動きをしなければ離開しないことを説明
・チューブ類が多い:固定の確認、複数人で介助
・術衣がはだけやすい:更衣、露出を最小限に抑える配慮



