頻回のナースコールや決まった時間の呼び出しに「またあの患者さんか……」と感じたことはありませんか。しかし、その背景には患者さんなりの理由が隠れています。ナースコールが鳴る時間帯に意識を向けてみると、患者さんの生活リズムや困りごとに気づくきっかけになることがあります。すべてに共通の理由があるわけではありませんが、時間や頻度から症状の変化や心理に気づけることも多いです。この記事では、私が経験したことを交えて、ナースコールの裏に隠された真実に目を向けることの重要性についてお話ししましょう。
1. ナースコールは「用事」だけではない

ナースコールは患者さんからの援助要請ですが、患者さんによっては、必ず決まった時間に呼び出したり、頻回にナースコールを使用したりすることもあります。煩雑な業務に対応しながら頻回に続くナースコールに、内心「またか」と感じてしまうこともあるでしょう。とくに訪室したばかりなのに何度もコールを受けると「さっき訪室したばかりなのに」と思うこともあります。しかし、何度も呼ばれること自体を「困ったこと」と捉えるのではなく「なぜ今、呼びたいのだろう」と考えてみると、患者さんの困りごとが見えてくることがあります。
2. 時間帯やナースコールの内容を意識すると見えてくること

たとえば、食前にナースコールが多いなら食事前にトイレに行きたいという気持ちがあるのかもしれません。また、夜間だけ頻回にナースコールを鳴らす人もいます。夜間に不安や痛みが強くなっていないか、眠れないことが影響していないかなど、背景を考えてみることも大切です。ナースコールを鳴らす時間に意識を向けると、患者さんごとの生活リズムや困りごと、不安に思っていることが見えてくることがあります。
私が病棟で働いていたとき「トイレに行きたい」と度々ナースコールを押してくる患者さんがいました。時にはトイレ介助した直後に再度ナースコールで「トイレに行きたい」と訴えてきました。認知症のある方でしたが、トイレに行ったことを忘れて何度もナースコールを鳴らしていたわけではないと思います。何か不安なことや困りごとがあり、なかなかうまく表現できなかったため「トイレ」というワードで何度もナースコールを鳴らしていたのではないかと今なら思います。
3. 「また呼ばれた」ではなく理由を考える

すべてのナースコールに同じ理由があるわけではありません。しかし、時間帯や頻度に意識を向けることで、症状の変化や生活上の課題に気づけることがあります。ナースコールは単なる呼び出しサインではありません。患者さんからの大切なサインと受け止めて、患者さんの気持ちに寄り添うことがよりよい看護につながるでしょう。何度も同じ内容で呼ばれる場合も、その場の対応だけで終わらせず、患者さんが自分では解決できない困りごとを抱えていないか考えることも大切です。
まとめ
・ナースコールは単なる呼び出しではない
・ナースコールを鳴らす背景
・患者さんからのサインと受け止め気持ちに寄り添うことが大切



