術後に自尿が出ない!バルーン抜去後の尿閉を見極めるアセスメント

観察・患者対応
2026.10.28
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術前は排尿に問題なく、術後の初回離床も終えてトイレまでの歩行は可能になった。しかし、バルーンを抜去してから数時間経過するものの、自尿が確認できない……。「もう少し待っても大丈夫かな?」と迷った経験はありませんか?自尿が確認できない場合は、尿が作られているのか、膀胱にたまっているのか、たまっていても排出できないのかを順番に考えることが大切です。この記事では、硬膜外麻酔の影響も含め、術後尿閉を見極める3つのポイントを解説します。

1. 周術期の水分出納から「尿が作られているか」を考える

バルーン抜去後に自尿がないときは、まず抜去からの経過時間を確認します。ただし、時間だけで尿閉と判断することはできません。麻酔記録や看護記録から、手術時間、術中の輸液量・尿量・出血量、術後の点滴量・飲水量を確認しましょう。特に確認したいのが、バルーン抜去直前までの尿量です。抜去前には十分な尿量があったのか、すでに尿量が減少していたのかによって、考えられる原因が変わります。抜去前から尿量が少ない場合は、循環血液量の不足などにより、尿の産生自体が少なくなっている可能性を考えます。

2. 膀胱内尿量を測定して状態を切り分ける

尿意や下腹部の膨満がなくても、膀胱内に尿がたまっていることがあります。患者さんの訴えや触診だけで判断せず、院内基準に沿って、膀胱用超音波画像診断装置などで膀胱内尿量を確認しましょう。膀胱内尿量が少ない場合は、まだ十分な尿が作られていない可能性に加え、抜去からの時間が短く、まだ十分に膀胱内に尿がたまっていない可能性を考えます。抜去からの経過時間と合わせて評価し、その後の尿量を経時的に確認します。一方、膀胱内に尿がたまっているにもかかわらず自尿がない場合は、尿は作られているものの排出できない「術後尿閉」の可能性を考えます。測定値だけで対応を決めず、抜去時刻や水分出納、尿意、下腹部症状などをそろえて報告しましょう。

3. 尿がたまっている場合は硬膜外麻酔の影響を考える

尿がたまっているにもかかわらず自尿がない原因の一つで、見落としやすいのが硬膜外麻酔の影響です。術前に排尿障害がなく、トイレまで歩ける患者さんでも、硬膜外麻酔の影響で自尿がみられないことがあります。膀胱内に尿がたまっている場合に確認したいのは、硬膜外麻酔が継続中か、使用薬剤や投与量、下肢の感覚・運動状態、尿意の有無です。医師の指示や院内手順に従って硬膜外麻酔を一時的にクランプする場合は、尿意が現れるか、自尿が得られるかを観察します。また、クランプ後は疼痛が増強する可能性があるため、排尿状況だけでなく、痛みの変化も確認しましょう。

自尿がないときは、「尿が作られているか」「膀胱にたまっているか」「たまっているのに出せない原因は何か」の順に整理すると、必要な対応につなげやすくなります。

排尿アセスメントについては、こちらの記事もご参照ください。

関連記事:「排尿アセスメントの基本|看護師が見るべき5項目と残尿測定の活用法」

まとめ

・バルーン抜去後に自尿がないときは、経過時間だけで判断せず、術中・術後の輸液量、尿量、出血量、飲水量などから、尿が作られる状態かを確認する。

・膀胱用超音波画像診断装置などで膀胱内尿量を測定し「まだ尿がたまっていない状態」と「たまっているのに排出できない術後尿閉」を切り分ける。

・膀胱内に尿がたまっている場合は、硬膜外麻酔の使用状況、投与量、尿意、下肢の感覚・運動状態を確認する。

・硬膜外麻酔をクランプした場合は、自尿の有無だけでなく、疼痛や下肢症状の変化も観察する。

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