急変を見逃さない!早期警告スコアNEWS2の基準と活用法

観察・患者対応
2026.10.28
0件のコメント

病棟で「この患者さん、なんだかおかしい」と感じた経験はありませんか。異常に気づいていても「何をどう報告したらいいのだろう」と、医師への連絡に悩むことは少なくありません。実は、私自身も看護師になったばかりの頃は、患者さんの状態をうまく評価できず、ドクターコールに苦手意識がありました。この記事では、看護師として20年近く臨床に携わってきた経験をもとに、NEWS2を活用した患者さんの評価方法とスコアの正しい読み方をわかりやすく解説します。

1. NEWS2とは?急変の予兆をキャッチするツール

NEWS2(National Early Warning Score 2)は、患者さんの生理学的な異常や状態悪化の兆候を早期に発見し、早期対応につなげるためのツールです。特別な検査は必要なく、バイタルサインや意識レベルを点数化し、状態悪化のリスクや対応の緊急度を判断する際に活用します。ただし、1項目でも3点がついた場合には注意が必要です。NEWS2の活用により「なんとなく元気がない」「少し呼吸が速い」といった変化を客観的に評価でき、急変のサインを早期に捉えやすくなります。NEWS2は、英国のRoyal College of Physicians(RCP)が2012年に発表したNEWSの改訂版として、2017年に発表されました。評価に使う生理学的パラメータは次の6つです。

① 呼吸数 ② SpO₂(酸素飽和度) ③ 収縮期血圧 ④ 脈拍 ⑤ 意識レベル(ACVPU) ⑥ 体温

さらに、酸素投与を行っている場合は+2点が加算されます。英国では、病院や救急搬送のほか、一部の介護施設のスタッフもNEWS2を活用しています。患者さんの状態を共通の数字で伝えられるため、職種間で連携しやすくなります。

2. 【早見表】NEWS2のリスク分類と看護師の対応

NEWS2はあくまで判断を助けるツールです。酸素投与量の増加など、重要な変化が点数に十分反映されない場合もあります。点数だけで判断しないようにしましょう。訴えや表情なども含めた全身状態を観察し、総合的に評価することが大切です。

スコアのリスク分類と対応の目安は以下のとおりです。

・0点:通常のモニタリングを継続(最低12時間ごと)

・合計1〜4点(低リスク):最低4〜6時間ごとに観察を強化

・単一項目3点(Red score):合計点が低くても注意が必要です。最低1時間ごとに観察し、院内基準に沿って担当医や先輩看護師などへ報告します

・合計5〜6点(中リスク):最低1時間ごとに観察します。スコア5以上は「緊急の臨床的閾値」です。院内基準に沿って担当医や緊急対応を担うチームへ速やかに報告し、緊急評価につなげます。感染が疑われる場合は、敗血症の可能性も念頭に置きましょう

・合計7点以上(高リスク):緊急対応が必要です。院内基準に沿って担当医や緊急対応を担うチームへ直ちに報告し、継続的にバイタルサインをモニタリングします

※観察頻度や報告に関しては、患者さんの状態および各施設の院内基準を優先してください。

3. NEWS2を使うときの注意点

NEWS2を正しく活用するために、知っておきたい注意点が3つあります。

①対象は16歳以上
NEWS2は16歳以上を対象としています。16歳未満の小児や妊娠中の患者さんには適用しません。

②SpO₂ Scale 2は指示に基づいて使用する
COPDなどを背景に、血液ガス分析で高二酸化炭素血症性呼吸不全が確認されている患者さんでは、医師など適切な臨床判断者の指示に基づき、SpO₂ Scale2を使用します。この場合、酸素飽和度の目標範囲は一般に88〜92%に設定されます。COPDという診断だけで看護師がScale2を選択するものではなく、Scale2を使用することと目標範囲が診療録等に明記されているか確認しましょう。

③脊髄損傷患者では信頼性が低くなることがある
四肢麻痺・高位対麻痺など脊髄損傷の患者では、自律神経障害により脈拍・血圧・体温が変動しやすく、NEWS2の信頼性が低くなることがあります。スコアだけに頼らず、患者さんの全身状態を丁寧に観察しましょう。

NEWS2は点数をつけることが目的ではありません。患者さんの「いつもと違う」を早く捉え、適切な対応につなげるためのツールです。NEWS2を活用しながら、急変のサインを見逃さないようにしましょう。

まとめ

・NEWS2は、普段の観察項目を点数化し、急変の早期発見や医師への報告の判断に役立つツールです。

・スコア5以上は緊急対応の重要な閾値。感染が疑われる場合は敗血症の可能性も念頭に置きます。

・NEWS2は点数だけで判断せず、患者さんの訴えや全身状態もあわせて総合的に評価することが大切です。

Share
  • Facebook
ページトップ