Aラインは動脈ラインを示し、重症患者さんの循環動態を把握するために欠かせないものです。ICUやHCU、手術室などで使用される機会が多く「どのような目的で留置されているの?」「何を観察すればいい?」と悩む方は少なくありません。
この記事では、私のICU勤務経験を踏まえて、Aラインの適応や目的、管理のポイントについて紹介します。
Aラインの適応と目的

Aラインを留置するのは、主に以下のような場合です。
・持続的な血圧測定が必要:昇圧剤や降圧剤などを使用して、血圧を厳密に管理したい場合など
・頻回な血液ガス測定が必要:電解質異常や呼吸不全などにより、頻回な血液ガス分析が必要な場合など
・マンシェットによる血圧測定が難しい:熱傷や外傷により、四肢での血圧測定が難しい場合など
Aライン挿入中の患者さんを受け持ったら、まず留置の目的を確認しましょう。
Aライン管理のポイント

私がICU勤務時代にAライン留置中の患者さんを受け持つとき、次のような点を意識していました。
・トランスデューサーの位置を確認する
トランスデューサーは、患者さんの第4肋間腋窩中線(右心房の高さ)に合わせる必要があります。
患者さんの体位や、ベッドの高さが変わった時などには、トランスデューサーが正しい位置にあるかを確認しましょう。
・ゼロ点設定を行う
血圧を正確にモニタリングするためには、トランスデューサーに基準となる大気圧を覚えさせる「ゼロ点設定」が必要です。
新しくモニタリングを開始する際や、モニタリングキットを交換した後などには、忘れずに行いましょう。
・アラーム設定を行う
異常の早期発見・対応のため、モニターのアラームは患者さんの状態に合わせた数値に設定しておきます。
Aライン上の血圧で投薬を行う場合もあるので、医師の指示を確認しましょう。
・圧波形を観察する
循環動態の変動やトランスデューサーの異常、回路内への空気混入などがあると、異常波形が見られます。
Aライン上の血圧だけではなく、圧波形の観察も併せて行いましょう。
・安全で安楽な固定を行う
患者さんの体動でカテーテルが抜けたり、折れ曲がったりするリスクがあるため、シーネなどを使った固定が必要です。
固定時は、圧波形がしっかり出ているかも確認します。
皮膚トラブルを起こしやすいカテーテル刺入部や、シーネと皮膚が接触する部位は、ガーゼや創傷被覆剤などで保護しましょう。
・合併症に注意する
末梢神経障害の有無を確認して「指先がピリピリする」「冷感がある」といった場合は、医師に報告して抜去や入れ替えを検討してもらいましょう。
また、留置期間が長くなると、カテーテル感染のリスクが高まります。早期抜去が難しい場合は、熱感や発赤といった感染兆候に注意します。

Aラインが留置された患者さんを初めて受け持つと、ゼロ点設定に苦戦したり、圧波形の見方がわからなかったりするでしょう。
機会を見つけて繰り返し実践・観察しながら、Aライン管理のスキルを身に付けてくださいね。
まとめ
Aライン管理のポイントは5つ
・定期的なトランスデューサーの位置確認とゼロ点設定
・状態に合わせたアラーム設定
・圧波形の観察
・安全安楽な固定
・合併症に注意



